こんにちは、生後2ヶ月の娘のおむつを変えようとしたら盛大におしっこをかけられた孝典です。
今回は、新規顧客獲得で大変さを実感したので、それを記事にします。
コロナで飲食店は売上が下がっているところがほとんどです。
コンサル会社の無料相談を受け「業績をあげている飲食店は何をしているのか?」ということを聞いた時に「業績が上がっている飲食店はない」ということを、膨大な情報量を持っているコンサル会社が言うくらい厳しいのです。
弊社も、例外なく売上は下がっており、レストラン事業に至っては通常の50%ほどです。
ですが、弊社の救いはレストラン事業の他に2つの事業があることです。
・仕出事業
・物販事業
です。
飲食店店長 コロナ禍の電話営業から学んだ新規顧客開拓の大変さ
指をくわえて、コロナが過ぎ去るのを待つのは嫌だったので、行動したからこそ学んだことを記事にしました。
今後の飲食店経営者の営業の参考や社員教育の一環になれば嬉しいです。
レストラン事業で下がった売上をどう補填するのか?どこで上げるのか?
なので、考えなくていけないことは「レストラン事業で下がった売上をどう補填するのか?どこで上げるのか?」ということです。
何もしないと、赤字がかさみ、店をたたまなくてはいけない日が近づきます。
そうなるのはごめんですし、娘も生まれたので、今以上に稼がなくてはいけません。焦りしかありません。
社長と相談した結果、売上の比率が高い「仕出を伸ばそう」と考え、色々提案しました。
「認知を上げるためにテーブルの卓上にパンフレットを置いてみては?」
「当日注文可能な弁当を開発してみてはどうだろう?企業周りもありかな?」
そして、今回は提案した中の1つ。「法要の新規営業に挑戦する」ことをやりました。
売上を上げるのに「法要の新規営業」を選んだ理由
なぜ、これを選んだかというと「お客様に喜ばれる自信」があったから。
・全国から「美味しい」を求めて仕入れた食材
・最新機器を使い、手間暇かけて作った料理の数々
・画期的な持ち帰りに適した容器の種類。メニュー数。総合パンフレット。
…など、上げるとキリがありません。
それくらい、他社さんの料理をみても絶対に喜ばれる自信がありました。
また、その自信を後押しするように、おせちで電話営業をした結果、毎年のように注文が増え、逆に受けきれずお断りすることも出てきました。
「絶対、法要の営業は喜ばれる!もっと、ゆたかの料理を知って欲しい!」
そう考えた時、私の自信は確信に変わっていました。
「法要の受注数を増やして、売上をあげて、この大変な時期を乗り越えよう」
電話をかけるのが怖くなる…心のどこかで「出ないで」と思ってしまう
いつの間にか「法要の電話をかける」→「売上をあげられる」と自信過剰になっていました。
その自信は1件目の電話であっという間に失います。
新規の法要営業 1件目
1件目の電話番号を打ち込み、繋がるのを待ちます。
「プルルル…」
「もしもし?」
「池田町のゆたかと申します。
本日は法要のご案内でお電話させていただきました。ご参考までに総合パンフレットを送らせていただきましたが、届いていますでしょうか?」
「何のこと?」
「法要やお弁当が載っているパンフレットでして…」
「法要?それなら、他の仕出屋さんに頼んだので結構です。それじゃ。」
「あっ…」
喜ばれる自信があったのに、冷たい対応をされ、なんとも言えない気持ちになりました。
ですが、「法要の新規営業をやる」と自分が言い出したこと。
1日目標の15件が終わるまで、やめるわけにはいきません。
しかも、後ろには部下も聞いています。引き下がるわけにはいきません。
いざ、気持ちを切り替え2件目
営業は「断られるため」にすると教わっています。進むしかありません。
正直内心は「意味なかったのかな…」と弱気です。
プルルル…プルルル…
「もしもし?」
「私、池田町のゆたかと申します。〜〜〜届いていますでしょうか?」
「あぁ、届いていますよ。何かありました?」
「もし、法要で迷われていたり、お役に立てることありましたら…」
「わかりました。はいはい。」
話している時間は10秒ほどなのに、それ以上に感じました。
終わった後のなんとも言えぬ疲労感。
その後の3件目から14件目も同じような反応でした。
最後の15件目
「ダメで元々」そう自分に言い聞かせ、かけた最後の15件目。
「もしもし?」
「私、池田町のゆたかと申します。〜〜〜届いていますでしょうか?」
「届いていますよ。
でも、今年はこんな状況なので、誰も呼ばないことにしました。息子と2人でやりますので、また来年以降お願いしますね。」
明らかに反応が違った。戸惑いも感じたが、心が少し暖かくなり、嬉しくなった。
「そうなんですね。わかりました。また、よろしくお願いいたします!」
「わざわざ、電話ありがとう、失礼します。」
法要の営業は無駄じゃなかった。今やっている活動以外で魅力を伝える努力が必要。
この方とお話しして実感した。
「法要の新規営業は決して無駄じゃない」ということを。
コロナで法要をやろうか少なからず迷っているお客様もいる。
また、やろうと思っているけど忘れてた方もいると思う。
電話をすることで、そんな方達のお役に立つことができ、料理も喜んでいただければ時間を使ってでも営業はやる価値があると思う。
何度もくじけそうにもなったが、親父に昔言われた言葉を思い出した。
「どんだけ緊張したり、嫌でも、命まで取られないから安心しろ」
極論に聞こえるかもしれないが、この言葉を思い出せたおかげで、スッと気が楽になった。
今回感じたことは
「自分たちが思ってるより、自分たちの魅力は伝わっていない。」
だったら、今やっている活動以外で魅力を伝える必要もあるんじゃないか?そう考えました。
美味しい料理を作ることは当たり前。
後は、迷っているお客様へお役立ちのために、営業したり、HPを整えたり、検索で引っかかるようなサイトにしたり…
「お客様に喜ばれるもの」という自信があるからこそ、行動していきます。
創業から、地道な営業や目の前のお客様を大切にしてきたおかげで今がある
でも、考えたことが1つある。
「自分が経験した嫌なことは50年続いている会社の歴史から見ると、本当にちっぽけなもの」ということ。
こんなことでクヨクヨしてられないと思うと同時に
「嫌な経験を繰り返さないためにはどうするか?」ということを必死で考えて、行動してきたから人口6,000人の街で地域ナンバーワンの売上を作れているんだと思った。
ある時、親父に法要の初期のことを聞いたことがあった。
親父も法要を始めた当初は当然お客様もいなく、新聞を読んで、法要をする予定のお宅に飛び込み営業をしたらしい。
もちろん、実績もなく、あるのは発泡スチロールに入れた熱々の自慢の茶碗蒸しと美味しい料理を作れる自信だけ。
ピンポンを押してドアを開けてもらっても「もう決まってるから」そう言われるのが当たり前。
ピンポンを押すのが嫌になり「出ないで欲しい」とも思ったそう。
でも、会社は業績も悪く、給料も低い。子供も3人生まれたのに、引き下がるわけにはいかない。と思って辛い日々を乗り越えたそうです。
こう考えると、私の状況と似ていますね。笑
「豊寿司」という寿司屋で創業し、ゆたかの土台を作ってくれた今は亡き爺ちゃん。
がむしゃらに突っ走って行動し、売上をあげてくれ、利益を自分の給料にするんじゃなく、最新機器を入れてくれ、職人に頼らなくても美味しい料理を作る仕組みを作ってくれた親父。
この2人に「お前に店を任せてよかった」と言ってもらえる日が来るのか、死ぬ間際でもこないのかわかりませんが(笑)、自分なりにお客様に喜んでいただける店づくりをしていきます。