飲食店のキッチン=なんでも料理できる は勘違い
前提として
飲食店のキッチンで働くと「なんでも料理できるんでしょ?」
と思われがちですが、実はそうではありません。
ぶっちゃけていうと、飲食店で料理(オーダー)を作っているのは、店舗の決められたオペレーションを回しているに変わりありません。
具体例を出すなら、
親子丼というメニューがあるとします。
親子丼を作るにしても、オーダーが入るたびに、いちいち調味料を合わせていたら、時間がかかりすぎます。
お客様のクレームの元になりかねません。
(こういう場合、店舗で決められた調味料の割合を事前に作っておいています。)
なので、料理人として自己表現できる場と言ったら
「宴会」料理くらいしかないのです。
本日は、私が作った宴会料理をチラッとお見せしたいと思います。
ミルフィーユ酢豚〜スブタ嫌いが作るスブタ〜
私自身、元々、高校卒業時に東京の中華料理店で働いていたので料理を作るときは、基本中華を作ります。
ですが、中華料理店で働いていたのに、スブタだけは硬い肉の塊を食っているようで好きになれませんでした。
数々の料理本を読んでいく中で「これだ」と見つけた、斬新な発想。
酢豚嫌いな私でもこれなら食べられる。
それが今回のミルフィーユ酢豚なんです。
「あれ?見た目は普通の酢豚じゃん」
ですが、中を見てみると…
中には「イチゴ」が!!
実は、このミルフィーユ酢豚、中に季節のフルーツを入れて豚肉を巻くことによって、酢豚嫌いの人でもあっさり食べられます。
↑こんな感じで巻いていきました。
でも、気になるのは味
いくら奇をてらった発想でも美味しくなければ意味がありません。
「美味しい」か「美味しくない」か。
結果は、料理を出した後にわかります。
お皿に料理がどのくらい残っているかを見れば。
料理を出した後、10分もしないうちにホールからお皿が返ってきました。
見るお皿・見るお皿、全て完食されていました。
お客様の声は直接聞けないですが、お皿が物語ってくれますね。
最後に
前回の記事でも紹介しましたが、料理人としてお客様からの「美味しい」が何よりの励みになります。
料理を完食してくれるのは、もちろん嬉しいことですが、
本当に美味しかったとき・行きつけのお店には
「ご馳走様でした」
と最後に一声かけていただけると嬉しいです。